「いかに勝つか」という問いは、特定環境の価値基準に基づいた競争に勝つことを目的としている。

人はどのような環境に身を置こうとも、常に競争から逃れることができない。

なぜなら、あらゆる環境には固有の価値基準が存在し、理想像に近づくことを要求されるからだ。

けれども、どれほど努力してもその理想像に到達できる可能性は極めて低い。

もし到達できたとしても、今度はそれを失う恐怖が生まれる。

さらに言えば、今日の価値基準が明日には変わっているかもしれない。

ファッションの流行が良い例だろう。

50年前の流行を見てみれば、いかに価値基準が変化しやすいものなのかがわかる。

「いかに勝つか」と考えることにはそんな危険性が潜んでいる。

一方、「いかに異なるか」という問いは、環境を支配する既存の価値基準からの脱却を意味する。

この試みは、必然的に前提となる価値基準そのものを疑い、それを絶対的なものではなく、相対的なものとして捉えなおすきっかけを与える。

まさにこの点にこそ、「異なること」の重要性が主張される。

この世に絶対的な価値基準など存在しない。

現代ならなおさらだ。